「健康学」の受講生にみられた日常生活習慣の改善

Abstract

「健康学」の授業を受けた学生の行動や意識がいかに変容したかを調べた。平成17年の後期の受講生187人を対象にした。12月の最後の授業で、多肢選択方式の質問紙を用い、無記名で授業の評価や、喫煙、運動、食習慣、健康意識の変容について回答してもらった。49人の喫煙者のうち18人が禁煙し、134人の非喫煙者の大半は、タバコを吸わないという意思を強めていた。運動習慣のなかった102人中17人が運動をはじめ、すでに運動習慣を持っていた85人のうち、9人が授業を参考にして、トレーニングの強度や種類を修正していた。食生活に関しても、38人がエネルギー摂取量を修正し、31人が野菜や海草類を積極的に摂るようになった。食塩摂取を減らした学生も35人いた。大学の授業を利用した健康教育は、単に知識を伝達するにとどまらず、受講者の日常生活習慣を望ましい方向へ変える有力な手段となり得る。